夏も終わりかけの8月の終わり、あまぎナチュラルストアの仕入れ担当にしてハンターの兄から電話が来た。
「今年はキノコの時期が狂っている。注文をもらっている以上にポルチーニ茸が取れたから、送ってあげるよ!、こんな高級キノコをドサッと食べられるなんてなかなかないよ!」
ポルチーニ茸…、イタリアンレストランのメニューでよく見る、なんかよくわからないけれど高いキノコ、ポルチーニ茸。
名前は知っているし多分食べたこともあるけれど、「どんな味だったっけ?」と考えてみると「?」となってしまう。
正直、おいしいのかどうかのイメージすらないけれど、高いし、有名だし、キノコだからきっとおいしいのだろう。
期待値低めだが、せっかっくなので送ってもらうことにした。
兄から聞いた調理法はとっても簡単。
- 一緒に調理していいキノコをグルーピング
- ハケで汚れを落とす(水洗い厳禁)
- 四角く切るだけ、キノコの食感を楽しみたければ、大きめに切る
- あとはバターで炒めるなり、汁にするなりで美味しく食べられる
- バターで炒めて冷蔵で1週間、冷凍保存すれば数ヶ月は食べられる
キノコの取扱で気をつけなければいけないことは3点。
- 蒸れに弱いので宅急便がついたらまずは冷蔵庫へ
- フレッシュなままの保存が難しいので、なるべく早めに開梱して、調理すること
- キノコは決して水で洗わないこと、ハケをつかって汚れを取ること
到着したダンボールは結構大きい。
冷蔵庫にうまく収まりきらないので、さっそくダンボールを開いて、調理を開始した。
1. 一緒に調理していいキノコをグルーピング
ダンボールを開けると、中にはぎっしり新聞紙で細かく梱包されたキノコたち。
キノコは想像以上に大量かつたくさんの種類が入っている。
いろいろなキノコは見た目もおもしろく、かわいくもある。
ちょっとワクワクする。
その反面、たくさんありすぎてちょっと面倒そうだなぁとも思ったり。
これで1.5kgというのだから、キノコは軽いのだなぁと改めて感心。
まずは兄に教えてもらった通り、ポルチーニ茸とそうでないグループでだいたい4つのグループに分けた。
A. 普通のポルチーニ茸として使えるグループ:下記以外のヤマドリダケ
B. 黄色くなるけど味はポルチーニのグループ:コガネヤマドリ、アカヤマドリ
※色を気にするのであればカレー向き、色を気にしないならバターで炒めてバジル、トマト、モッツァレラなどを和えてパスタで食べるというのが兄の提案
C. きのこ汁にするとおいしいグループ:カワムラフウセンタケ、オオツガタケ、アミハナイグチ、ハナイグチ
D. 個別に味わうべき格別に美味しいキノコ:ヤマドリダケ(イタリアで使っているポルチーニ茸)、ヤマイグチ
2. ハケで汚れを落とす(水洗い厳禁)
10数種類のキノコをグループ分けした時点で結構面倒だったのに、これがまた、ちまちましていてさらに面倒くさい。
多量のキノコを前に、これらを一つずつハケできれいにしていくのかと考えると、だいぶ気が重い。
が、(多分)おいしいものを食べるための一手間ということで、しょうがない。
これも含めて「天然キノコを食べる」ということなんだな、と思いながら、ハケで1つずつ丁寧に泥やその他の付着物を除去、泥の取れづらい地面付近の軸の部分は表面を包丁で削ぐ。
そんな地味な作業を淡々と無心にこなす。
作業しているとおいしい匂いというよりは、キノコ臭い?、というか森と土の匂い?が立ち込める。
こんなものが本当においしいのだろうか!?、正直全く期待ができない。
3. 四角く切るだけ、キノコの食感を楽しみたければ、大きめに切る!
キノコをひたすら食べやすいサイズにカット。
炒めると半分くらいに縮むので、ちょっと大きめに切るのがポイントです。
4. あとはバターで炒めるなり、汁にするなりで美味しく食べられる
兄いわく、キノコは生のままの保存が難しいけれど、バターで炒めて冷凍保存しておけば、数カ月は美味しく食べられるとのことたったので、「C. きのこ汁にするとおいしいグループ」以外はとりあえず炒めてしまうことにした。
下処理の終わったポルチーニ茸をざっくり四角く包丁で切り、バターでソテー。
炒め始めると、キノコはとてもおいしそうな匂いにかわった。
さっきまでは土臭くて、全然期待できない思っていたポルチーニ茸がバターの匂いと相まって、上質でおいしそうな香りに変化した。なんか高そうないいものが出ててきそうな匂いがする。
せっかくなので、バターで炒めた「A. 普通のポルチーニ茸として使えるグループ」を使ってポルチーニ茸のクリームパスタを作ってみた。
所要時間は10分程度で超簡単。
・フライパンを使ってにんにくをオリーブ油で炒める
・3. でつくったポルチーニ茸のバター炒めを加える
・牛乳と生クリームと塩を少々、隠し味?にパルメザンチーズ(普通の粉チーズ)とコンソメスープをちょっと加える
・ゆだったスパゲティー(フィットチーネ)を絡める
ポルチーニ茸のしっかりとした味と香りが濃厚なクリームにベストマッチ。
シンプルで超簡単なのに素材がいいだけあり、高そうな味がします。
料理上手とは言い難い私が作っても「これはおいしい、レストランで出てきたら1皿、3000円位しそう」と家族にも大好評。
「D. 個別にありがたく味わうべき格別に美味しいキノコ:ヤマドリダケ(イタリアで使っているポルチーニ茸)、ヤマイグチ」はバターで焼いただけでいただきました。
・・・、驚きのおいしさです。
こんなのはじめて、今ままでに食べたことのないようなおいしさ。
ねっとりとした濃厚なチーズのような味わい…(私の感覚なので一般的でないかもです)、高級な嗜好品の味がしました。
きのこといえば、スーパーで売っているぶなしめじや舞茸のイメージが強いけれど、全く別種の食べ物です。キノコを超えたなと思いました。
一応、「C. きのこ汁にするとおいしいグループ」で汁も作りました。
これは想像通りの山で取れたきのこの匂い、味。
ふつうに美味しいけれど、特筆するものは正直ないかもです。
(↑あくまでも個人的意見です。w)
5. バターで炒めて冷蔵で1週間、冷凍保存すれば数ヶ月は食べられる
残ったポルチーニはジップロックで小分けにして、冷凍することにしました。
牛乳さえあれば、パスタの湯で時間と同じくらいのスピードでシュッとおいしいポルチーニのクリームソースがいつでも作れます。
初心者の私にも簡単に調理できて、期待値が低かっただけに衝撃のおいしさ。
兄のキノコ採り&販売にはあまり興味がなかったけれど、おもわず声を大にして広げたくなるようなおいしさでした。
こんな天然キノコを販売中、食べ方や調理法などなど兄のマニアックな説明も堪能できます。
お問合わせはこちら!
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